不動産投信投資信託(REIT(Real Estate Investment Trust))とは、たくさんの投資家から資金を集めて「不動産」を購入し、そこから生じる賃料や売却益を投資家に配当(正確には分配)する商品です。日本のREITはJ-REITと呼ばれています。投資家には投資証券(株券に相当するもの)が発行され、「株」と同じように4桁の証券コードが割り当てられていて、東証で売買が可能です(指値注文も成行注文もできます)。このREITの登場により、個人では困難だった不動産投資が、比較的無理のない金額で可能になりました。REITは、オフィスビルなどの不動産に投資し運用益を投資家に配分するという方法で、比較的高い投資利回りを確保でる上、減税の恩恵も受けられます。
REITは株式と同様、証券会社を通じて売買する金融商品です。元本割れするリスクは株式と同じです。分配金(配当金に相当)は半年毎にでます。銘柄にもよりますが、配当利回りはほぼ3~5%で推移しています。金利が低い時にはとても魅力があり、長期保有による安定した分配金収入を目的とした商品です。2008年3月末までは分配金にかかる税率は20%から10%に半減され、確定申告の必要もありません。
これまでになかった新しいタイプの金融商品であるとともに、預貯金と比較した場合、利率が非常に高かったため、近年日本では急激に人気が高まっているのです。なお、2004年度の国内銀行の融資状況は、新規融資全体が前年度に比べ2.9%減っている状況の中でも、不動産向けの新規融資は前年度に比べ15.3%も増えています。さらに、新規融資全体に占める不動産向けの割合も、前年度に比べ3.1%ポイント上昇の19.9%となっています。そして、2005年4月末時点で、REITには約2兆円ものお金が集まっています。(時価総額)。わずか4年ほどで、アメリカの9分の1ほどの規模に拡大していったのです。
注意したいのは、分配金の動向です。資産デフレで運用先の不動産賃料が下がったり、オフィス需要が低迷する地方中心に稼働率が低下したりすると、賃料収入の減少で分配金が減りかねません。都心部でも空室率はバブル崩壊後の高水準にあり、今後次々に大規模オフィスビルが開業するため、オフィスビルの供給過剰の長期化にも注意が必要です。地震が発生し、不動産が倒壊するリスクもありえます。
とはいっても、現在の1%以下という低金利の時代に3~5%という利回りは魅力です。今後もさまざまな種類、数多くのREITが登場する予定で、問題はないと言う声もあります。リスク分散するために1口でも多く購入することをお勧めします。
また、不動産投資信託には大きく分けて「会社型ファンド」と「契約型ファンド」の二種類があります。ではこの「会社型ファンド」と「契約型ファンド」とは何なのでしょうか?
「会社型ファンド」と「契約型ファンド」
まず会社型ファンドとは、投資法人と呼ばれる、不動産への投資・運用を目的とした特別な法人が、 投資家からの出費を元に不動産を保有し、投資証券を投資家に発行するというものです。投資法人への出資は、「投資口の購入」という形式をとります。不動産投資信託の場合、投資法人が不動産投資などによって得た利益は、この投資口の数に応じて、分配金として投資家に支払われます。一見すると普通の株式会社と同じようですが「資産の75%以上を不動産で保有」「利益の90%以上を配当しなければいけない」という特別ルールを課せられています。
また、投資口をもつ投資家は、投資主総会(株式会社の株主総会にあたる)における議決権も口数に応じて与えられます。 投資家は、取引所に上場された不動産投資信託の投資口を購入することで、この分配金による配当収入と投資口を売却した際の売却益が狙えるのです。
アメリカではこの会社型投信が主流で、“ミューチュアルファンド”と呼ばれています。日本では88年の法改正によって有価証券に投資するタイプのこの会社型が認められ、2000年11月に不動産その他の資産にも投資範囲が認められました。
制度面の違いについて言えば、契約型の投資信託というのは、ファンドの委託者である運用会社と受託者である信託銀行との間で締結される信託契約から生じた受益権を細分化した受益証券を、投資家が購入するという形式の投資信託です。株式投資信託や公社債投資信託といった証券投資信託は契約型の投資信託です。
投信の主流が契約型であるのに対し、REITの場合には会社型が基本となっています。現在東証に上場しているREITはすべてが会社型ファンドです。
【契約型と会社型の比較】
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契約型 |
会社型 |
形態 |
委託者(運用会社と)受託者(信販銀行)の信託契約に基づいて設置 |
資産運用を目的とする法人(会社)を設立 |
発行証券 |
受益証券 |
投資証券(株券) |
投資家 |
受益者 |
投資主(株主) |
投資家の意思表明 |
なし |
投資主証券(株主総会) |
各国の状況 |
日本の投信 |
米国のミューチュアル・ファンド |
REITの投資対象による分類
(1)エクイティREIT
不動産の所有権もしくは所有権の持分に直接投資をするREITです。REITの株式は、不動産の所有権を持つのと同等の効果を持つことになります。エクイティREITは、REIT全体の8割以上を占める最もメジャーな形態です。
(2)モーゲージREIT
おもに不動産担保ローンに投資するREITです。REITの初動期(1960年代)にはメジャーな存在でしたが、いまでは全REITの1割程度を占めるにすぎません。
(3)ハイブリッドREIT
エクイティ型とモーゲージ型を組み合わせた混合型REITです。一般にハイブリッドREITは、配当利回りではエクイティREITよりも高いのですが、モーゲージREITよりも低いとされます。一方成長性では、エクイティREITほど高くはありませんが、モーゲージREITよりは高いとされています。
REITの株式期限の有無
かつてREITは投資期限を定めない無期限のものがほとんどでしたが、その後投資期間の満期を確定させたREIT(通称FREIT)が増えてきました。 FREITは当初から期限を決め、満期時には資産を売却し、その売却益を分配することでREITを解散するしくみです。
満期はおおむね10年~15年程度のものが多いようですが、なかには、投資家の判断次第で期限延長できるREITもあります。
基準価格
不動産投資信託の基準価額はファンドに対する需要と供給で決まります。これが証券投資信託と大きく異なる点です。
株式投資信託や公社債投資信託のような証券投資信託では、ファンドが投資している株式や債券などの価格が上昇や下落によって、ファンドの基準価額は変動します。
一方、不動産投資信託では、株式の発行済株式数に相当する発行済投資口数は一定で、株式と同じように、ファンドに対する投資家の需要と供給により基準価額は変動します。より多くの投資家がファンドを購入すれば、ファンドの基準価額は上昇し、一方で、より多くの投資家が売ろうとすれば、ファンドの基準価額は下落します。この受給は不動産市況、不動産賃貸市場の動向、金利や経済見通し、各ファンドの運用成績に対する期待など様々な要因の影響を受けます。
不動産投資信託が投資しているビルや商業施設などの不動産の価格の上昇や下落は、ファンドの基準価額に直接影響を与えません。保有するビルなどの価格が上昇して、不動産投資信託がそのビルを売却した際に売却益が発生した場合には、他の保有ビルの売却損益と合算されて、投資家に支払われる分配金に反映されることになります。ただし、保有している不動産の価格の下落を嫌気して、投資家がその不動産投資信託の売却に動くことになれば、売り(供給)が増えることでファンドの基準価額は下落することになります。