REITにも株式投資同様な売買のタイミングはあるのでしょうか?元々、REITは長期で保有することでメリットが生かされる金融商品なので、デイトレードのように売買が盛んに行われるとは考えにくいと思います。では、どのようなタイミングで売買をしていけばいいのでしょうか?
売買の3つのタイミング
下記の3つのタイミングは、REIT株価が高い確率で下がるポイントです。株価が下がる = 買うタイミング という解釈をしても良いでしょう。
(1)分配落ち(権利落ち)
REITは株式投資と違って株価変動が小さいのが特徴です。新規上場ラッシュで株価変動が激しい時期もありましたが、株価上昇で利益を得るキャピタルゲインとは違い、配当金で利益を積み重ねるインカムゲインな金融商品なので、基本は株価変動が小さいです。
また、業績に極端な上方修正・下方修正がなく、そんなに大きな変動がない家賃収入がベースというのも理由のひとつです。但し、半年に1度だけ2%~3%の株価の大きな下落があります、それが分配落ちです。
REITは半年に1回決算を行います。例えば6月末決算のREITの場合、6月末日から5営業日前に保有していないと(権利確定日)、配当金はもらえません。確定日翌日は分配落ち日となり、株価が2%~3%下落そこでREITを購入します。(100%下落するわけではありませんが、高い確率で下落します。) 配当金狙いの投資家が多いので、権利をとるために決算期1ヶ月前がよく株価が上昇すると言われています。
(2)増資
ライブドア・ニッポン放送で話題となった「増資」です。あのニュースの中で、「1株あたりの利益の希薄化」が問題になりましたが、このREITでも同じことが言えます。発行口数が増加することで1口あたりの分配金が減少します。
以前は ”増資の発表で株価が下がり、そこが買うタイミング”でもありました。しかし最近は増資の発表と同時に、物件売却の発表あるいは取得物件の発表を行い、1口あたりの分配金が希薄化しないようなケースが増えてきています。希薄化するようなら、株価下落の要因になりますので買うタイミングと考えられます。
(3)新規上場 (IPO)
もっとも勝率が高いのは、IPOに参加してREITを購入することです。IPOで買って初値で売り抜けるのではなく、長期的にみた場合、上場直後の株価が数年単位でみた場合に最も安い銘柄が多いという意味です。これはREIT市場が右肩上がりで成長してきたために起こった現象ですが、最近上場した銘柄は決してこの法則が当てはまらなくなってしまいました。IPOと言えばなかなか当選しないイメージがありますが、株式投資よりも認知度が低いせいか、若干当選確率は高いようです。ネット系証券会社より大手証券会社の取り扱いが多いです。
買いは配当利回りを基準に判断
株価チャートを見て「1年前は今より○%安いから、その水準まで戻るはず」とか「上がり続けて止まらない状態だから、一刻も早く買わなければ」などと安易に判断してはいけません。 REITの買いタイミングは配当利回りを基準に判断するのが良いでしょう。
例えばREITの配当利回りが4%だったとします。この利回りを基準にして他の投資先と比較するのです。国債が1.5%、株式の潜在的利回りが10%、中古不動産投資が7%など、自分なりに調査をして投資を検討してください。
売りも配当利回りを基準に判断
買いタイミングと同じように、売りも配当利回りを基準に判断してください。あなたが買ったREITが値上がりすることで、配当利回りが4%から3%まで下がったとします。その場合、3%という数値を基準に他の投資先と比較するのです。他の投資先のほうが有利だと感じたら、REITを売って他の投資先に投資してください。 また、REIT株が大幅に値下がりして利回りが大幅にアップしたときは「買い」のチャンスです。
長期保有
売買を繰り返すのは無駄な手数料や税金を発生させてしまうことになります。大幅な価格変動や問題が発生しない限りは、長期保有を心がけるようにしましょう。
また、REITで得た配当金で「利回りの高い他のREIT」や「株式」を購入していくと、効果的に資産を増やしていくことができます。REITを買うということは運営者付きの投資用不動産を買ったのと同じと考えてください。不動産価格の変動で簡単に所有する不動産を手放してしまう人はいないでしょう。
REITが少しくらい値下がりしたからといって、あまり気にする必要はないでしょう。利回り4%REITに1000万円を投資すれば、その後にREIT株がどれだけ値下がりしようとも、年40万円の配当を受け続けることができるのですから。
配当権利直前の買いと配当権利直後の買い
配当権利直前の買いと配当権利直後の買い、どちらがお得なのでしょうか?結論からいうと、前者は無駄な税金を払うことになり後者のほうがお得といえるでしょう。
例えば、配当直前に20万円のREIT(利回り4%)を100単位(2000万円分)買ったとします。その後、配当金72万円(税金10%)を受取り、配当落ちして価格が4%下がったREITを購入すると、その時点の所有REIT株枚数は103.75枚になります。 次に配当直後に同じREITを2000万円分買ったとします。配当落ちしたREITの株価は192000円なので104.17枚のREIT株を購入することができます。ただし、配当権利直後のREITが実際に配当金額分下がるとは限らないので、気をつけてください。